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カテゴリ:登る( 53 )
the garden
 先週、“増毛のパン屋はスカンピン”が、愛息のベビーシッターに来ないかと言うので、しばらくお邪魔してきました。何を食べても美味しい、美味い、びみびみの増毛。海産物と銘酒以外にも名物となったスカンピン、ベビーシッターが必要だと言うのも、うなづける程の忙しさです。
 そんな忙しいパン屋にも定休日はあるわけで、日曜日は登りに連れて行ってもらいます。クリスマス前の忙しい時期に、とんでもないわがままを言っていることに後から気付く愚者、誰か代弁してくれ。そのクリスマス頃には、東京から高校生プロクライマーMAXと、俺様の保護者が雪中ボルダリングを味わいにやってくる予定。どうせMAXの残した宿題を優先してトライするはずなので、この日は下見を兼ねて、シークレットエリアの<ザ・ガーデン>に入ります。しかし、連日の悪天候で、風の強い雄冬とはいえ、それなりの積雪があります。スカンピンは新品のスノーシューで快適クルージング。登りの長ーい坂道も楽しそう!途中、遭難するかもなんて思ってしまうアプローチ、ぜひ都会ッ子の前でデカイ顔をしてみたい。

c0028573_12543196.jpg 心配していた雄冬の看板岩、“ウィル”、そのコンディション。他の岩とは違い、海風と真っ向勝負しているだけあって、フェイスに雪が付いていない。それにこの日は寒いだけで風も無い。雪も降ってない!スラブとはいえ、それだけ魅力のあるラインが揃っているし、これなら苦労して来た甲斐がある。

 この日のトライは、前回トライした直上ラインのスタート部分から、クラック併用ラインの終了点に合流するもの。俺様が一番やりたかったライン。
 ホールドに付いた雪を落とし、ブラシをかける。でも核心のポケットは届かないので放置。何度かのトライで4メートルの核心へ到達。前回のトライでは1回で攻略したので、もちろん今回も苦労するつもりはありません。でもね、ここでスタンスの滑り方が半端じゃないことに気付くわけ。よーく見るとスタンスが氷でピカピカ光ってる。ただでさえ怖いムーブなのに、スタンスに氷。そして右手の外傾二本指ポケットも、濡れポケット。あー凄まじい、これが北海道て感じ。氷スタンスは滑って落ちてを繰り返す内に、なんとか攻略法を発見。問題は最後の一手を伸ばすポケット。いくら思案巡らせても、決定的な打開策が浮かばない。こんな時はウガーって頑張るのみ。なーアツシ君。てことでウガーて頑張って完登。課題名<日没狂人 Sunset Maniac>とする。ちなみに前回登った、左のクラックからフェイスに抜けるラインは<日没狂人の左>とする。

c0028573_12511743.jpg この日はすげー頑張って完登したんだけど、水平線に迫る、美しい夕日は見られなかった。ちゃんと、晴れて太陽が出ていた時間に完登するべきだった。結局予定していた景色は見られない。でもこの日のトライは信じられない程の充足感と共にあったから、来週の東京勢が来た時のお楽しみにしておこうと思い納得する。

 帰りの道のりは凄まじく長い。経験外のボルダリングを限界いっぱい堪能した後って、普通に歩くのも辛いのに。雪の下がどうなっているかよりも、暗くなっていく景色の把握に集中力を奪われる。
 行きのスリルも、帰りには真剣な怖さとなって迫ってくる。行きのスノーシューへの羨望も、帰りには真剣に払拭しなけりゃならない。そう、俺様の防水ボルダリングマットは坂道でよく滑るのさ。例えマットのジッパーが壊れて、使い物にならなくなったって、パドリングをやめたりはしなーい、、!

 ちなみに、スカンピン池田のムーブは凄いよ。あのホールドって保持できるんだーって思う。あともう一押し。
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by b3plus | 2004-12-19 18:35 | 登る
雄冬岩石公園・お披露目会
 前日暴れまわった強風もなりを潜め、とは言っても増毛特有の風は常設展示中だが、“今日こそは”の願いも空しく、より低くなった気温がヤル気をこそいでいく。見事に、この土日だけ天気が悪い。金曜までは暖かく、月曜日からまた暖かく?ふざけんなっ!

c0028573_2325618.jpg 本当に天気が悪いので、それ程クライマーが集まらなかったとしても仕方がないと諦めていたものの、予想に反して、参加者が多い。“増毛のパン屋はスカンピン”の施工業者や、増毛町役場の想像に反して、いや全国のクライマーの想像に反して、雪のちらつく中、約20名も集まった。役場の好意で開けて頂いた廃校には、たくさんの車。さっそく校舎内にてミーティングを行い、雄冬でのルール確認とする。
 札幌から、旭川から、等距離にある雄冬ならではのセッション。それもホールドに雪が積もり、雪が目に入りながらなんて。質の高いセッションが目的なら、トライ回数なんて関係ない。セッションという言葉、使い方が正しいかどうかはわからないけれど、初心者から上級者などレベルを問わず、同じ岩、同じラインでトライを繰り返し、その経験や感動を共有するってことかな。カッコいいトライをしている人は、レベルを問わずカッコいい。

 岩石公園内では風が弱い為、雪がどんどん積もってしまう。ので<ザ・ガーデン>へ移動。ただしアプローチが大変危険。巨石が堆積って表現、なんだか納得いかないのだが、そんな表現しかできないアプローチを進む。都会ッ子は軍手着用、ステルスラバーで来るように。乾燥している時期でさえ、スケートシューズでは来たくない。でも泥だらけになるモッタよりは、アプローチが楽と感じるのは俺様だけなのだろうか?
 ひととおり参加者に説明をし、いくつかの目ぼしい岩を見てもらうが、やっぱり<ウィル>なのか。初めて来たボルダラーがすかさず下地の整備をし、登る権利を買ってくれた。トライも早い。実力も凄い。なによりトライがカッコいい。この日集まってくれた人達のレベルの高さ、一緒にセッションできる喜び。
 
c0028573_12573312.jpg この日、<ザ・ガーデン>での雰囲気は凄かった。初めてクライミング仲間と小川山に行った時、初めてヨセミテに行った時、そんな10年近く前の感覚に似た雰囲気を見ることができた。ホールドの“お友達ポイント”を重ねて行くことを最優先とする俺様のスタイルも、興奮して関係なくなってしまう。前日のマックスのトライ、ハルカのふざけたトライ。目の前には未登の綺麗なラインがあってと。あの不思議な高揚感はなんなのだろう。俺様がセッションリーダーでありたいという、あの闇雲さ加減。結局無謀な突っ込みは爪を半壊させただけなんだけど。
 撮影で客観性を取り戻すと、このセッションでの質の高さがよくわかる。みんな落ちる寸前まで自分の完登を疑わない、しかし落ちるとわかった瞬間の表情。その少しの間を冷静に見るのは何よりも面白い。最高のセッションに参加できなくなった代償なのだから、それくらいのニヤリ感は許してな。

  結局完登者はでなかった。コンディションも良く、マックスがいいところまで行ったのだけれどね。まー、いい宿題になったじゃないか。どうせまた俺様の勝ちだがな
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by b3plus | 2004-11-28 18:37 | 登る
お披露目会・前日
 鳥葬を連想させる空の色とカモメの数。天使も降りてくるのか来ないのか。

c0028573_22585726.jpg 前日の夜から降り出した雨は、願いも空しく昼前まで吹き付けた。しかし大量の雨雲も増毛の強風には勝てないようで、しばらくすると雨上がって道路も乾き始める。この日の予報は風速23m。約台風。この強風で日本海は液体からゲルに姿を変え、ぶちまけたエネルギーの果ては泡となって、中古車相場を下げるのさ。荘厳壮大な表面張力を前にして、ボルダリングしようなんて発想が破滅的だ。そういえば、台風が来ると興奮してしまう学生を題材にした邦画がありましたな。我らヨソモノ三名は、映画のネタよろしく、高校生マックスの興奮にあおられ増毛を出発する。こんな風を強風と呼ぶわけにいかないということなのか、車外には今にも飛ばされそうなお年寄が自転車にしがみついている。

 雄冬新エリアの<ザ・ガーデン>。岩のコンディションは申し分無いのだが、なんせ風が強い。高さ5mぴったりの<ウィル>は、さえぎるモノ無い峰に悠然と立っている為、強風を真正面から受けている。時たま吹き付ける雪も<ウィル>にぶち当たり、空へと返されていく。
 マックスといくつかラインを引いて後、俺様とっておきのメインのスラブに手をつける。ほとんど垂壁か。最初は弱点から、大きなクラックから分岐して右抜けするラインをトライする。マックスは元気いっぱい、すぐに上部までのムーブを構築する。俺様は指待ち。ぐちゃぐちゃのムーブしか起こせない中頑張る。そして指もあったまって、マックスの高度に到達して気付いた。なぜマックスがそこでスタックしているのか。雄冬特有の、びっしりと張り付いた苔だかカビだかが、やたらと滑るってことじゃない。そんなことは前から知っている。気付いたのは“風”だ。高度3mを超えようというところで、凄まじい風が、本当に凄い風が、体と岩の間で渦巻く。滑って信用ならない左足スタンスに、二本指だけが薄くかかる右手。そんな状態で、ギリッギリ届くリップまでジワジワ立ち上がらなけりゃならない。なのにそのムーブをおこそうとすると、ビュウワーと強風がやって来て岩から体を引っぺがす。核心を越えようと、背後の木々よりも高度を上げると風がやってくる。めちゃくちゃ怖い。恐い。恐ろしい。風を波に例えてセットを読む。ウソ、読む努力をする。ひどい時なんぞは、雪がBB弾をキャリコでぶちまける様に吹き付ける始末。バババババッてさ3000発の弾幕。もう氷壁をソロで攻めるアルピニストの気分。上からビデオ撮影していたら、真下から吹き上げる雪でモザイクフィルタがかかる位凄い。
 グレード?しらねー。追い風参考だし。俺様のムーブとマックスのムーブを同じ台には乗せられないし。あいつは日没後、凄まじいランジで完登したのだから。俺様が先に登ったことを後悔させる程カッコいいムーブ。初登者は奴であるべきだった。マックスはこのトライを通して、百万回トライの真意を代弁してくれた。できないことにトライし続けることがカッコいいんじゃない。1回1回のトライごとに進化することがカッコいいんだ。進化を忘れた奴等に百万回トライはできない、自己の限界は超えられない。
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 思わず、マックスと出会った小川山のセッションを思い出した。
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by b3plus | 2004-11-27 18:38 | 登る