「マックスはヨソモンだから雪にビビっても仕方がない。でもローカルならこれくらいの対処法はできて当たり前だ。」
「俺等は雪の対処法を教えるわけじゃない。登りから学べる奴と、学べない奴がいる。ただそれだけだ。」
マックスが来たので、雄冬岩石公園へ行ってきました。ここには10月に海君と登った課題、“海と海”があります。たくさんのホールド、スタンスがムーブの選択肢を無駄に広げ、邪魔な後ろの岩がその選択肢を制限する。そんな外引きキーホールドを使わざるをえない環境が、これでもかというくらい揃っている、むちゃくちゃカッコエー課題です。高さは無いけれど、傾斜がキツイので雪の影響も受けず、岩に囲まれた課題なので、直接風の影響を受けない。雪と寒さの冬にトライするには、なかなかな感じです。
肝心のマックス君、北海道の本気の寒さを知り、ドン引きに引きまくってます。そんなマックスを尻目に
増毛のパンはスカンピンのスノーシューを奪い合う、BSTテツロウとカリスマ。ボルダリングなんかそっちのけで雪と戯れる。こんな深雪を見るのも初めてなマックスには異様な行為に写ったことでしょう。あまりの寒さとビシャービシャに濡れた服が、彼のモチベーションを固めてしまう。なんで服が濡れているかって?そりゃー野球のバックネットからスカイサーフィンで飛び降りさせられたから。
彼等道産子の異様な行動が、全てはボルダリングにつながっていると気付いたマックス君。その時にはそれぞれ違うムーブで先行する、カリスマとテツロウを追う状況。とりあえず愚痴をこぼしながらも雪に対応する努力を繰り返す。バーナーで足を焼き、使い捨てカイロの風呂に入る。そんな涙ぐましい努力が功を奏したのか、最後の追い込みは彼らしい、カッコいいモノでした。キーホールドを確実に取るムーブを構築し、そこからが核心だと気付くに至るのです。日が落ちない内に辿り着いていれば、なんとかなったかもしれない。でもこの日は登れなくて良かったんじゃなかろうか。色々なことを学べたはずだから。
寒さによるトライ回数の減少と、モチベーションの作り方をどうするのか。各自がセッションで気遣わなければならない、トライスタイルとも天秤にかけなければならない。ローカルから盗むべきテクニックはその土地その土地で異なる。反対に、学ぶ側の姿勢というのは全国どこへ行っても共通することを、彼等がマックスに対して、直接示してくれた気がします。
こんなセッションができるローカルとマックス。